蟹のこと。

蟹のこと。

皆さんこんにちは!
今回は再び冬味覚!
そして冬味覚のレギュラーである蟹にスポットライトを当てます。

蟹とは?

蟹は十脚目短尾科下目(カニ下目)に属する甲殻類の総称です。
タラバガニやヤシガニなんかは十脚目異尾下目(ヤドカリ下目)に属し、
別物ですが流通の観点から一般に「カニ」としています。

蟹にはどんな種類があるの?

では食用にされている蟹にはどんな種類があるのかです。

日本三大蟹は

タラバガニ、ズワイガニ、毛ガニの3つです。
他にも色々ありますがそれぞれ見て行きましょう。

タラバガニ!!

タラバガニ

先ほども述べましたが学説的には蟹ではありません。
しかし「蟹の王様」と呼ばれるくらい身入りが良く美味です。

名前の由来は、
魚の鱈が生息する場所に住み着く蟹と言うことで
タラバガニになりました。

旬は年に2回あり「4~6月頃」、「10~2月頃」です。
特に流氷明けの「4~5月頃」の物は甘みが強くとても美味です。

ただ王様だけあって価格も高く高級品です。
もしコストを抑えてタラバガニの味を堪能したければ
タラバガニと同じタラバガニ科のアブラガニやイバラガニを購入してみるのも手です。
アブラガニはイバラガニに比べると手に入れ易く
価格もタラバガニよりは少々安いですね。
一方イバラガニは漁獲量が少ない為手に入れるのはちょっと難しいかもですが
価格はぐっと安くなるので見つけた時はすぐゲットしましょう。

因みにアブラガニもイバラガニも味はさほど変わりません。
タラバガニよりも美味しいという人がいるくらいです。

タラバガニとアブラガニは見た目ではそっくりですが
甲羅の中心によっているトゲの数が違います。
タラバガニは6つでアブラガニは4つです。

市場なんかに行ってタラバガニを見つけた時は見てみましょう。
もしかしたらアブラガニをタラバガニと謳って販売しているかもしれません。
過去にそんな事例がありアブラガニは毛嫌いされました。
味は甲乙つけがたいのにもったいないですね。

またミナミタラバガニなんてのも最近よく聞きます。
何かというと、マゼラン海峡より南に棲むタラバガニの仲間です。
タラバガニよりはやや小ぶり。
漁獲量が多い為価格が安く、味も悪くない。
価格が高騰し続けているタラバガニに代わる日も遠くないかもしれません。

ズワイガニ!

ズワイガニは大きく3つに分かれます。

  • 本ズワイガニ
  • 紅ズワイガニ
  • 大ズワイガニ

です。それぞれ見ていきます。

本ズワイガニ(オピリオ種)

本ズワイガニ

日本海やオホーツク海で獲れるズワイガニ。

日本各地で漁獲されるため各地での呼び名、またはブランド化があります。
代表的なもので言うと

  • 松葉ガニ(島根県、鳥取県、兵庫県、京都府)
  • 越前ガニ(福井県の三国港、北陸)
  • 間人(たいざ)ガニ(京都府北部の丹後半島間人港)
  • 津居山ガニ(兵庫県北部の津居山港)
  • 加能ガニ(石川県、橋立漁港、金沢港など)
  • 芳ガニ(山形県、庄内地方)
  • 北海松葉ガニ(北海道)

などです。これらはズワイガニのオスに限った名前であり、
メスは区別されて違う名前で呼ばれます。
コッペガニ、セコガニ、セイコガニ、香箱ガニ、オヤガニ、クボガニ、メガニなどです。

大きさもオスとは全然違い、小さいです。
卵の関係上、非常に高価な食べ物とされています。

セコ蟹(香箱ガニ)は松葉ガニのメスで
小さいながらも身詰まりの良さが特徴。
濃厚な味噌は絶品で内子と外子を抱き合わせた物は最高級品です。

内子と外子が何かは後で説明します。

紅ズワイガニ

紅ずわいがに

本ズワイガニとは近縁種であるが別物であります。
生息場所も本ズワイよりも深い暗い海になってます。

日本海、北朝鮮、ロシアなどで漁獲されます。
味は水っぽいとされ、価格は本ズワイよりずっと安いです。
缶詰めになっていたりし、また食べ放題などに出てくるズワイはこちらですね。
見た目は本ズワイと似ていますが、唯一、腹部分である裏側まで赤いのが特徴です。

兵庫県北部の香住漁港で揚げられる紅ズワイが美味しく、有名で
香住ガニとしてブランド化されています。

大ズワイガニ(バルタイ種)

大ずわいがに

主にロシアやカナダで獲れるズワイガニです。大型のズワイガニです。
日本ではあまり流通していないせいか「最高級品種」と謳われるときがあります。
しかし味はそれほど変わりません。

それぞれのズワイガニを見てきました。
ズワイという名の由来は楚(すわえ)蟹が訛って出来たそうです。
楚(すわえ)とは「木の幹や枝から伸びた細くまっすぐな若い枝」のことです。
確かにズワイガニの足はそんな感じですね。

ズワイガニの旬は冬期ですがオスとメスで違ってきます。
オスは「11~3月頃」、メスは「11~1月頃」です。

毛ガニ!

毛ガニ

毛ガニは正式名称「オオクリガニ」と言います。

メスは保護の観点から禁漁になっていて食べる事は出来ません。
北海道では季節ごとに漁場が変わって1年中漁が行われています。
なので旬は特にありませんがやはり冬場や流氷明けの時期の物が美味です。

毛ガニの旬

花咲ガニ!

花咲ガニ

花咲ガニは北海道根室市の花咲付近、道東でしか獲れない。
タラバガニと同様にヤドカリ下目なので本来は蟹ではない。
やや小ぶりな蟹で旬は夏~秋にかけての7~9月頃。
味は三大ガニには無い旨味があります。美味しいです。
身体はトゲトゲだらけなので捌くには注意が必要です。
甲羅がハート型になっているのも可愛らしいです。

ワタリガニ! (ガザミ)

わたりがに

甲羅がひし形なので「菱ガニ」とも呼ばれています。

サイズは小さいですが味は濃厚で特に味噌は絶品です。
イタリアンではこの蟹を使ったクリームパスタが定番で、人気です。

上海ガニ!!

上海がに

正式にはチュウゴクモクズガニと言い、中国ではよく食べられている。
モクズガニの仲間なのでハサミの前足には毛がびっしり付いている。
その毛が藻屑に見える事からの名前であります。

生命力が強く、環境の変化にも順応できるの為、
生態系をおかしくする可能性があるので活の上海ガニは輸入禁止になってます。

栗ガニ!

クリガニ

クリガニ科に属する蟹で、毛ガニやトゲクリガニもこの科です。
そのため見た目も味もよく似ています。
毛ガニよりやや小さいが価格は安く、味もそんなに劣らないです。
しかも毛ガニでは禁止されているメスの漁獲が出来るので、
内子、外子を食すことが出来るのも魅力の蟹です。
毛ガニと同様の漁場で通年漁があるが旬は春~初夏と言われています。

トゲクリガニ!

トゲクリガニ

先ほどのクリガニと同じ仲間でクリガニ科の蟹。
4月下旬~5月下旬頃までに青森県の陸奥湾で獲れる。
春に獲れることから青森では「花見ガニ」「桜ガニ」とも呼ばれます。
味は毛ガニに匹敵するほど甘みがあり美味しいですね。

蟹の内子や外子っていったい何?

蟹の内子と外子

蟹の内子や外子ってよく聞きますよね。
どういうものなのでしょうか?

内子とは蟹の甲羅の内側にある卵巣、未成熟の卵で
外子とは受精卵、ふんどしの周りについている卵です。
因みにふんどしが三角なのはオスでメスの物は半月型をしています。

どちらも卵ですが成熟度の違いですね。
独特の風味と旨味を持った珍味です。
内子の生はこのわたのような珍味です。
このわたはこちらで解説しています。
日本の珍味! – 料理自由研究家ヒロカの小噺 (cuisinblog.org)
単体でも販売していますが高級品です。

生の状態だと濃い紫色ですが火を入れると鮮やかなオレンジ色になります。
ぜひ味わってみてください!

蟹の栄養素はどんな感じ?

蟹は高たんぱく、低カロリーな食品で
しかもタウリン、亜鉛、銅、鉄、カルシウムなどのミネラルを豊富に含む健康食品です。
素人でもわかるような体に良さそうな物質ですが実際タウリンのおかげで
肝機能を正常にする高価があるそうです。
意外と高級品なので「体に良いから沢山食べる!」とはいきませんがね😂
美味しいから少量でも味わっていただきましょう。

蟹の甲羅に付いている黒い粒々は何?

カニビル

たまにズワイガニの甲羅に黒いツブツブが付いているのを見かけますよね?
あれは「カニビル」という寄生虫の卵です。

まず蟹は何度か脱皮を繰り返します。脱皮後は身入りが悪く美味しくない。
しっかりと脱皮を終え甲羅が堅くなった物が身入りも良く美味です。

話は戻りますがカニビルは固い岩などに卵を産む習性があります。
そのカニビルが蟹の甲羅に卵を産むという事はそれだけ甲羅が堅く成長している証です。
なのでカニビルの卵が産み付けられている蟹は身入りも良く美味だということになります。
人間には寄生しないので安心してください。

蟹料理はどんなレパートリーがあるの?

ただの浜茹でだけでも美味しい蟹ですが料理ではどんな活躍をしているのでしょうか?
ラインナップは次です。

かにすき、かにしゃぶ、かに玉、かにチャーハン、カニ焼売、グラタン、
甲羅焼き、カニ酢、寿司、焼きガニ、カニ雑炊、天婦羅、かにちらし寿司、
かに飯、洗いカニクリームコロッケ、ワタリガニのパスタ、鉄砲汁
カニあんかけ(冬瓜などの淡泊な野菜に掛けるのがベスト!)、蒸し蟹、
揚げかに(ソフトシェルクラブ)、蟹みそ和え、
甲羅酒などなどで沢山あります。

太字のメニューを詳しくご紹介します。

かにすき

かにすき

かにすきは蟹を使ったなべのことを言います。
もっと詳しく言うと蟹の入った寄せ鍋です。
野菜や豆腐などを沢山いれて味付けしそのまま食べる鍋料理です。

蟹の鍋料理と言えばかにしゃぶも有名で
生の蟹ポーションなんかを沸騰した鍋にさっとくぐらせてポン酢と薬味で
頂く鍋料理です。
また「かにちり」なんて鍋料理もあり、こちらは蟹と野菜、豆腐などを
鍋で煮てポン酢と薬味でいただきます。
どれもこれも美味しい鍋料理です。

甲羅焼き

蟹甲羅焼き

甲羅焼きは色々やり方があるのですが甲羅に入れて焼けば甲羅焼きです。
和食の世界では昔から玉素と言うマヨネーズの原型みたいな物を使います。
それは卵黄をサラダ油で少しづつ伸ばしていきマヨネーズ位の固さにします。
それにほぐした蟹の身と椎茸、百合根、法連草などを混ぜて甲羅に詰めて焼きます。
パン粉を上から散らして焼くと香ばしく仕上がります。
なんとも酒のつまみになる一品です。
一度やってみてください!

洗い

蟹の洗い

洗いは蟹に限らず鱸や鯉などの白身魚、伊勢海老などによく使う調理法で
その身をぷりぷりにする効果もありつつ、食中毒菌の腸炎ビブリオを殺菌する役割もあります。
腸炎ビブリオは真水に弱いため冷たい氷水で洗う「洗い」と言う調理法は効果的です。
また蟹では身が花を咲かせた様になり見た目にも美しく仕上がります。

カニクリームコロッケ

蟹クリームコロッケ

子供から大人まで大好きなコロッケですね。
カニの旨味と牛乳のコクを合わせた絶品料理です。
もし蟹のほぐし身が余っってしまった時は作って冷凍してしまいましょう。

鉄砲汁

鉄砲汁

カニ(殻付き)の入った味噌汁のことです。
北海道根室の花咲カニを使うのが本来の鉄砲汁ですが
現在ではカニ入りの味噌汁の総称になってます。
名前の由来は椀の中のカニの殻を箸でつついて食べてる仕草が
鉄砲の玉を詰めている様子に見えたことからなんだそうです。
カニのだしが効いたとっても美味しい味噌汁です。

揚げかに(ソフトシェルクラブ)

ソフトシェルクラブ

その名の通り柔らかい殻の蟹でして
脱皮直後のワタリガニを油で揚げた物です。
そのまま小麦粉を付けて揚げてタレに付けて食べても美味しいですが
にんにくや生姜を効かせた漬けだれに漬けてから粉を付けて揚げたものがおすすめです。
その方が揚げた物をタレに着けて食べるよりサクッと召し上がれるからです。
お酒のおつまみには持ってこいですね。

甲羅酒

甲羅酒

こちらは料理ではありませんが絶対にやってみてほしいですね。
蟹みそを食べ終えた甲羅に日本酒を注ぎ下から炙って熱燗にして吞む。
香ばしさや蟹みその濃厚な旨味を感じる熱燗になりたまりません。
甲羅付きでカニを楽しんだ時は絶対にやってみてください。

以上蟹についてのあれこれでしたがアレルギーの方を除いて
蟹が嫌いな人はあまり見た事がありませんね
それぐらい日本人にはなじみのある食材です。
これからも大事に生産され感謝の意を込めて楽しんでいきたい食材です。

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