うなぎが美味い。

うなぎが美味い。

皆さんこんにつは!
今回は冬味覚の一環で旬のうなぎについて研究していきます。

えっ?うなぎの旬って夏じゃないの?
夏の土用の丑の日に食べるでしょ!と思う方もいるのでは。

現在はうなぎの養殖が盛んになり1年中うなぎを食べる事ができます。
冷凍物を除いてもです。
しかし天然物のうなぎは11~12月初めの冬、
冬眠前の脂の乗った物が最高に美味なのでこの時期が旬です。
しかし残念ながら現在では激減してしまいウナギ流通量の0.3%未満しか
出回りません。
因みに、養殖うなぎに旬はありません。

そんなうなぎについて深掘りしていきます。

うなぎって何?

うなぎとはウナギ目ウナギ科ウナギ属に分類される魚の総称です。
世界中(熱帯~温帯)に生息している。
世界で19種類のウナギが生息しているが食用としているのは主に4種。

その4種は
二ホンウナギ
ヨーロッパウナギ
アメリカウナギ(ロストラータ種)
ビカーラ種
です。それぞれ見て行きましょう。

二ホンウナギ

主に日本国産のウナギはこの種。
マリアナ海峡で産卵すると言われており、そこから日本に向かった稚魚が
河を遡上して淡水域に住み着き成長する。
淡水域には入らず海水で成長するものもある。
7~8年暮らし産卵期になると海へ戻っていく。

日本では河を遡上してきた稚魚を捕まえ、養殖している。
すなわち完全養殖には至っていないのです。
養殖でも大変な美味なので一番高価です。

ヨーロッパウナギ

西欧に生息するウナギで中国産はこの種が多い。
ヨーロッパ全域・北アフリカの一部に生息している。
中国ではこの種を養殖・加工し日本に安価で輸出している。
二ホンウナギより脂身が多く、肉厚で身が柔らかい。

アメリカウナギ(ロストラータ種)

北アメリカ海岸やカリブ海などで生息する。
非常にヨーロッパウナギに似ている。
身がふわふわで柔らかく、クセがない。
こちらの種も中国がどんどん養殖をしているので
中国産と書いてあるウナギはこちらの可能性もあります。

ビカーラ種

インドネシアやフィリピンで養殖されているウナギ。
東南アジアのウナギで頭が大きく、胴体が短い。
味はそこまで悪くはないが小骨が大きくて食べずらいそうです。

以上が食用にされている主な4種です。

日本でのウナギ漁獲量ランキング!

日本ではどこの地域が沢山漁獲しているのでしょうか?
名前的に言うと静岡県の浜名湖が有名と思います。
しかし静岡県は漁獲量1位ではありません。
では順位を見て行きましょう。

1位 鹿児島県 (7057t)
2位 愛知県  (4315t)
3位 宮崎県  (2856t)
4位 静岡県  (1536t)
5位 徳島県  (243t)
6位 三重県  (207t)
7位 高知県  (204t)
       (令和2年データより)
になってます。
鹿児島県はダントツで1位です。
静岡県は有名ですが4位です。
5位、6位、7位はほぼほぼ一緒なので年度によって変わってくるかもですね。

鹿児島県でも大隅地区が養鰻ではトップクラスです。
大隅半島の綺麗な水を使って育てているから美味しいのだそう。
愛知県では一色地区が有名ですね。

やはり南の温帯で育つ生物というのが良くわかる指標です。

ウナギの栄養素は?

体には良さそうなのはわかるけど何が含まれているのでしょうか?

ウナギにはビタミンA、B、D、E が豊富に含まれていて
しかも不飽和脂肪酸のDHA、EPA も含まれています。
DHAには体内の免疫反応の調整、脂肪燃焼の促進などが期待できます。
またミネラルやカルシウム、鉄、コラーゲンなども含まれているので
食べるとスタミナが付くとか滋養強壮に効くとか言われるんですね。

土用の丑の日にウナギを食べると夏バテしないというのはこのように
ウナギには栄養がたっぷり入っているという理由もあるんですね。
因みに土用の丑の日にウナギを食べる習慣が広まったのは
所説はあるものの1番有力なのは平賀源内が広めたというもので、
夏には閑古鳥が鳴くウナギ屋が源内に相談にし繁盛する知恵を求めました。
すると源内は「本日、土用丑の日」と書いた張り紙を店に貼らせて
ウナギは滋養強壮に良いので食べましょうと促したのです。
それが大変流行し現在までその習慣が続いているという事です。
その習慣からウナギの旬は夏という錯覚に陥っています。
天然物は冬が旬。 養殖に旬はない。 です。

うなぎの刺身はみたことないなぁ🤔

ウナギのお刺身は見た事無いと思いませんか?

実はウナギの生血には”イクチオヘモトキシン”と言う毒素があり
それを生で摂取してしまうと下痢や嘔吐、呼吸困難、最悪の場合、死に至る。
その危険があるため生では食することはほとんどありません。
静岡県の一部地域では刺身で提供するところもあるみたいですが。
イクチオヘモトキシンは60℃に5分で死滅すると言われているので
おそらく熱湯にさっとくぐらすだけでも死滅するのでしょう。
そんな処理をしてからお造りにしているのだと思います。

ウナギにおける関東と関西の違い

同じウナギでも卸し方や焼き方などの面で関東と関西では違いが出てきます。
どう違うのかそれぞれ見て行きましょう。

関東風

捌き方は基本背開きです。
腹開きだと武士の切腹をイメージさせ縁起が悪いので背開きです。
頭を落として白焼き(素焼き)し一度蒸します。
かば焼きには甘さ控えめのさらっとしたタレを使って焼き上げます。
蒸すことで余分な脂を落としています。

関西風

基本腹開きです。頭は落としません。何故腹開きなのかは、
関西は商人の町なので「腹を割って話しをしよう」という意があるようです。
関東とは違って蒸さずにそのまま焼き上げて行きます。
蒸していないので余分な脂は落ちていません。
なので脂に負けない位の甘めでドロッとしたタレになる傾向があります。

関東、関西でもこのような違いがありますが、
うなぎ裂き(ウナギを捌く包丁)に関しては4つに分けられます。
関東型(江戸型)、名古屋型、京型(京都型)、大阪型です。

共通してい言える事は専門店の美味しい鰻屋さんは炭火で焼くという点です。
炭火は火力が強いし遠赤外線の効果で外側はパリッと中はふっくら仕上げてくれます。
また、うなぎから落ちた脂が燃えて煙となり良い香りをかば焼きに付けてくれます。

うなぎに山椒は欠かせない!

山葵などと同様に和のスパイスとされる山椒は
ミカン科の落葉低木で、若葉は”木の芽”と呼ばれ
お吸い物の吸い口になったり、木の芽味噌なんかに活躍しています。
又、その実は有馬山椒という佃煮にしたり、熟したものを粉山椒にしたりします。
うなぎのかば焼きに無くてはならない香りづけをしてくれます。
因みに山椒の木は”すりこぎ”(すり鉢で擦る時の木の棒)にも用いられています。
日本の食文化に根強い植物と言えますね。

昔、うなぎは毒消しの目的で山椒醤油や山椒味噌をつけて焼いていたそう。
その山椒の香りがうなぎと相性が良かった。その名残りでうなぎと言えば山椒になり
現在では欠かせない香辛料になってますね。

日本のスパイスと言うだけあり各地でブランド化しています。
代表的なものはこちらです。
兵庫県の朝倉山椒
岐阜県奥飛騨の高原山椒(飛騨山椒)
高知県の仁淀川山椒
和歌山県のぶどう山椒
などです。 それぞれに特色があるのでためしてみると面白いですね。

相性と言えばうなぎと梅は食べ合わせが良くないとよく聞きますよね?
実際どうなんでしょうか?
結論から言うと食べ合わせは悪くありません。
詳しくはこちらで確認してみてください。

美味しい梅干し! – 料理自由研究家ヒロカの小噺 (cuisinblog.org)

うなぎ料理はどんなのがある?

かば焼きばっかり目立つウナギですが他にはどんな料理があるのでしょう。
かば焼きはやはりウナギを美味しく食べる調理法ですが
そのかば焼きを使った料理や素材そのものを使った物までいろいろあります。

うざく、白焼き、う巻き、ひつまぶし、まむし、肝吸い、肝焼きなどですが
かば焼きを使ったレシピはまだまだあります。
ウナギ特有のレシピはこれらだと思います。それぞれ見て行きましょう。

うざく!

うざく

うざくはうなぎのかば焼きを刻んで、スライスして塩もみした胡瓜や若布などと
三杯酢で和えた酢の物です。
濃い味のかば焼きでもさっぱりと食べる事ができます。

白焼き!

うなぎ 白焼き

白焼きはその名の通り、捌いたウナギを素のまま焼いたものです。
かば焼きと違いタレをつけてないのでウナギ本来の味を堪能できます。
逆を言うとごまかしが効かないので安いウナギではしない方が良いです。
味が付いてない分、色々な食べ方ができます。
塩、山葵、わさび醤油、ショウガ醤油、抹茶塩などがおすすめ!
最高のおつまみになり日本酒がすすみますね。

うなぎ白焼き 特大181-210g×2尾 約3.5人前 岩塩付 送料無料 国産 愛知県産 三河産 専門店 39(サンキュー)ショップ 誕生日 プレゼント 食べ物 贈り物 ギフト

価格:6,999円
(2022/1/29 13:51時点)
感想(17件)

う巻き!

鰻巻き

う巻きはウナギのかば焼きを中心にして巻いた”だし巻き玉子”です。
切り口の断面が綺麗ですし、かば焼きの濃いめ味と卵の薄味がマッチしています。

ひつまぶし!

ひつまぶし

おひつに入った御飯の上にきざんだウナギのかば焼きを乗せ混ぜた物。由来でもある。
おひつでまぶしたご飯を茶碗によそって食べるが、
1杯目はそのまま食べ、2杯目はネギや大葉、山葵などの薬味を効かせて食べ、
3杯目はお茶や出汁を掛けて食べる。
名古屋の名物料理になってますが全国的に有名ですね。

うなぎ棒寿司!

鰻の棒寿司

ウナギのかば焼きを柵に取り裏側の皮目に包丁を入れて観音開きにします。
そこへ棒状にまとめたシャリを詰め巻すで巻きます。
切り分けて粉山椒振ります。

まむし!

鰻 まむし

このまむしは大阪のウナギ料理で、簡単に言うと、うな丼のかば焼きを
丼の中のご飯に埋めたようなものです。
上からタレが掛かっています。
見た目からするとちょっと寂しい感じはしますが、
先程にもあったように関西のかば焼きは蒸しませんよね、
なのでこのホカホカご飯に挟めてふっくらとさせるのが目的だそうです。

肝吸い!

鰻 肝吸い

ウナギの内臓を入れたお吸い物。
肝と言う名前ですが肝臓ではなく胃や腎臓、腸の一部を使います。
コリコリとした歯触りがまたなんとも美味です。

肝焼き!

うなぎ 肝焼き

先程の内臓を焼き鳥の様に串に刺し、焼き上げ、塩またはタレで食べます。
こちらもコリコリ感がたまりません。
ビールや日本酒がすすみますね。

まぁこのようにうなぎ一つとってもかば焼き以外に美味しい料理がありますね。
スーパーのウナギのかば焼きも調理法一つ変えると美味しく仕上がりますが
是非一度は天然の旬のうなぎを食べて見てください。

スーパーのかば焼きを美味しく食べる方法!

うなぎのかば焼き

先ほどのスーパーの安いうなぎのかば焼きを美味しくする調理法です。
少し手間はかかりますが仕上がりは違ってきますのでやってみてください。
では調理法です。

買ってきたかば焼きを流水で洗い、付いているタレを落とします。
それをフライパンに入る大きさに包丁します。半分にするくらいでよいかと。
できればこれを一度蒸します。しなくても充分ですがよりふっくら仕上がります。
テフロンのフライパンにうなぎを入れ中火にかけます。
温まってきたら酒を振り強火にしアルコールを飛ばします。
アルコールが飛んだらフタをして弱火にします。
この蒸し煮状態で3分ほど温め
市販の物でよいので、かば焼きのタレをからめて完成です。
これをするとただレンジで温めたり、グリルで炙ったりするより
断然美味しく仕上がります。是非おためしあれ。

以上うなぎに関する自由研究でした。
ではまた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です